ストーリー

極限流空手伝承のためにアメリカへと渡った師範、タクマ・サカザキは、数々の異種格闘技戦に勝利した最強の格闘家。
タクマは、妻のロネットとの間に生まれた息子のリョウに幼い頃から激しい特訓を行ってきた。
…しかし、それは気弱で心優しいリョウにとって、あまりにも厳しく耐え難いものであった。
"…こんな修行、もう嫌だよ!父さん!"
"リョウよ…私が元気なうちに、極限流の全てをお前に伝授しておきたいんだ。…いいか、世の中誰も助けてはくれない。自分の力で成功を勝ち取るんだ。"
一方…
"いいか、ロバート。お前は私の後を継いで、世界一の大富豪になるんだぞ。ワッハッハッハ…"
実業家であるアルバート・ガルシアの息子で、リョウの親友でもあるロバートは、幼い頃から後継ぎとして、帝王学を学ばされていた。
だが、ロバートにとってそのことは、何より苦痛と感じていた。
そして、帝王学の一環として、極限流空手アメリカ支部サカザキ道場を訪れていた時、リョウとの特訓を行っていた際に放ったタクマの言葉は、ロバート自身にとって衝撃的なものであった。
"お父さん…僕、本当はお父さんの後継ぎなんて嫌なんだ。自分の力で成功を掴みたいんだ。"
"生意気言うんじゃない!いいか、ロバート。私が今までどれほど苦労してきたか……ま、待て、ロバート。何処へ行く!"
家を飛び出したロバートは、父の友人でもあるタクマの道場へ再び行き、弟子にして欲しいと頼み込んだ。
タクマはロバートの志を汲み、リョウと共に修行を積ませた。
それから数ヵ月後、ロバートは単身で修行の旅へと出て行くことになる。
・
・
・
・
・
そして、リョウが10歳の誕生日に悲劇は訪れた。
サウスタウンで両親の車がトラックと激突。
母のロネットは即死、父のタクマも瀕死の重傷を負い、トラックは何処かへ逃げ去った。
…その時、リョウには4つ年下の妹のユリがいた。
"パパ!ママ!"
…事故には不審な点が多く、リョウは"父の命を狙う者の仕業"と思ったが、幼い彼にはどうすることもできなかった。
一体、誰がタクマを狙ったのか…。
"もう泣くなよ。俺がついているじゃないか。"
"お兄ちゃん…"
タクマの入院中、兄妹に収入源は無く、ついに道場を売り払う破目になった。
そのタクマは、数ヵ月後退院したが、職には就かず、妻を殺した犯人を探すことに執念を燃やしていた。
やがて彼は、幼い二人を養う為に、ストリートファイトに明け暮れるようになった。
そんなある日、タクマは置き手紙を残して家を去った。
「リョウへ」
ユリのことを頼む…
[父]
"一体何があったんだ、父さん…。"
果たして、手懸かりを掴んだのか…。
リョウは妹のユリを養う為に、毎日朝から晩まで懸命に働いた。
だが、生活は苦しく、ユリに贅沢をさせてやるには程遠かった。
"…父さん、俺は一体どうすればいいんだ。"
日毎に生活が苦しくなっていく中でリョウは、父の言葉を思い出した。
<自分の力で成功を勝ち取るんだ…>
…彼は、己の腕一本で成功を勝ち取り、妹に楽をさせようと決心した。
そして、リョウは父と同じストリートファイトの世界に身を投じたのだった。
"お兄ちゃん!?…お兄ちゃん!止めてぇー!"
"いいんだ、ユリ…"
"お願い、もう止めて!私、贅沢なんてしなくても、今のままで十分幸せだもん!"
・
・
・
・
・
数年後、リョウは街でも評判のストリートファイターとなっていたが…
"生意気な野郎だ。俺達を誰だと思ってんだ。"
そこへ…
"リョウ!"
<ドガッ!>
<ドゴッ!>
"フゥ〜…やっと戻ってきたか。"
絡まれていたリョウの助太刀をした男…それは修行の旅へと出ていた親友のロバートだった。
彼は、恐るべき極限流空手の使い手となっていた。
"相当腕を挙げたな、ロバート。"
"リョウ!こんなことをしている場合じゃない!ユリちゃんが車で何者かに連れ去られたんだ!"
"!!!"
"…親父さんが行方不明と聞いて、お前の家に向かう途中だった。すまん、助けられなくて…。だが手懸かりはある…それは車のナンバーがサウスタウンのものだということだ。"
(サ、サウスタウンだと…!?)
サウスタウンは活気溢れるビジネス街。
だが、その裏側では、欲望と憎悪が渦巻いていた…。
"…奴等……両親だけじゃ飽き足らず、ユリまでも奪うつもりか!?許せねぇ…叩きのめしてやる!!"
"リョウ…俺も手を貸すぜ!"
後に「極限流空手・無敵の龍」と呼ばれるリョウ・サカザキ。
後に「極限流空手・最強の虎」と呼ばれるロバート・ガルシア。
…今、二人の格闘家が、ユリを救い出すために立ち上がった!
その頃、サウスタウンでは…。
"きっと、お兄ちゃんが助けに来るわ!"
…一体、誰が何のためにユリをさらったのか!?
そして、リョウとロバートは、ユリを救い出せるか!?
RETURN